草鞋は通例足の蹠よりもずつと小さく

1章8節361-13

足半(あしなか)のことであろう。かかとにあたる部分のない短い藁草履(わらぞうり)。鼻緒を別にすげるのではなく、台部の芯縄の末端を表に出して鼻緒とし、前で横緒と結ぶ。軽くて走りやすく、武士などが好んで用い、農山漁村でも作業用に広く用いられた。「足半には礼儀なし」、「足半を履かせる」などの言い方がある。足半に対して、普通の長さのものを長草履という。アチックミューゼアム編『所謂足半(あしなか)に就いて』(『アチックミュージアム彙報』9、1936年)がある。[山口]   

明治三十四年の六月に、東京では跣足を禁止した柳田國男の足元男女の風貌はこの六十年間に、二度も三度も目に立ってかはつた~下駄屋