腰巻

1章7節359-10

腰巻は、女性が和装するときに下着として腰から脚にかけて、じかに肌にまとう布を指す。腰巻は肌着のほか、古くから婦人の労働着の役目をもっていた。おもに畑作業の際に下半身に腰巻を短く着用し、上半身には膝下までの長さの野良着を着て、足には脚絆をつけるのが一般的であった。農村では腰巻をつけることが一人前になった証であり、女子は13歳になると〈ヘコ祝い〉〈腰巻祝い〉〈湯文字祝い〉などといって,母親の実家や親戚から贈られた赤または白の木綿の腰巻を初めて着用する習わしが各地で見られた(「腰巻」『改訂新版 世界大百科事典』平凡社、2014年)[加藤]

洗濯所謂洋服も亦とくに日本化して居る婦人洋服の最近の普及袖無し、手無し露出の美を推賞しなければならぬ機運

袖無し(手無し)と腰巻を着用して洗濯を行う女性(右)。
出典:「小説:幻灯(35)」『東京朝日新聞』1903年(明治36) 9月14日号