遠慮無く望むこと又困ることを表白し得るやうになつたとしたら

1章8節363-18~19

「各人が自分の境遇、風土と労作との実際に照らして、遠慮無く望むこと又困ることを表白」するとは、自分が抱え込んでいる問題を、「遠慮」してわが身独りの問題として黙って耐えるのではなく、自分と同じ問題にさいなまれている者が居るに違いないことを前提に、自らの問題と事情を他に向かって表明することを意味している。それが『世相篇』が説く生活改良の第一歩であった。この部分は、第1章第1節の「問題の共同」(342-17)と呼応している。

さらに「自分の境遇、風土と労作の実際に照らして」という物言いには、「問題」の背景は、地方ごとに、また営まれる生活のかたちごとに異なっており、一律の手段を当てはめて解決できるわけではないという『世相篇』を貫く考え方が、表れている。[重信]

問題の共同真に自由なる選択