1章8節362-9
早稲田大学教授であった出井盛之(いでい せいし1892-1975)の著作『足袋の話―足袋から観た経済生活』(多鼻会、1925年)のこと。全48頁の小冊子であるが、現地の生産現場などの観察から問いを発する「行動経済学」を主唱した出井の、『行動経済学の立場より』(巌松堂、1923年)は当時、有名で、この書も『勤労者講座―足袋の話』(勤労者教育中央會、1926年)として版を重ねていた。わざわざ固有名詞をあげ、これに言及するのは、柳田の考える経済学に捉え方が近かったためか。[岩本]
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